2020年3月16日月曜日

安曇野オオルリシジミ保護対策会議


 安曇野オオルリシジミ保護対策会議が,春の雪が舞う2020年3月14日にアルプスあづみの公園管理センター会議室で行われました.保護対策会議は,オオルリシジミに係わっている関係者が集まり毎年の保護活動方針を協議する会議です.出席者は保護対策会議メンバーをはじめ長野国道事務所公園課,安曇野市環境課,公園管理センター,岩原の自然と文化を守り育てる会,日本自然保護協会など20名が参加.対策会議代表できずな幹事の那須野雅好さんの議長で,以下の議題について話合いがなされた.
*2019年の発生状況・活動報告
*2020年の活動方針について
*オオルリシジミの安曇野市天然記念物指定について 

 きずなの事務局長江田慧子さんが2017年から続けている3年間のオオルリシジミの成虫のマーキングによる移動・分散についての調査報告を行った.


安曇野オオルリシジミ保護対策会議の様子

調査報告をする江田事務局長








マーキング調査によってオオルリシジミ成虫は
一定の方向に飛翔していくことが分かった.

















 2020年は5月24日のオオルリシジミ観察会,6月27日講演会,10月3日のクララ移植などのイベントの予定が各団体から紹介された.

会議終了後,今年度で安曇野市教育委員会を定年退職する
那須野さんに花束とチョウのマグカップがプレゼントされた

この日は春の雪景色




























翌15日は,AZUMINO ARTHILLS MUSEUM( http://arthills-museum.jp/  )で6月に開催されるイベントにオオルリシジミのブースを出展する件で打ち合わせを行った.


ガラスを楽しむことができる美術館
AZUMINO ARTHILLS MUSEUM














素敵なチョウのネクタイピンを
見つけました







2020年2月2日日曜日

第5回きずなフォーラム『『生物多様性ながの県戦略の見直しにむけて』 


 信州生物多様性ネットきずなと長野県(自然保護課・環境保全研究所)の主催で令和2年2月1日(土)、塩尻総合文化センターにおいて第5回きずなフォーラム『『生物多様性ながの県戦略の見直しにむけて― 多様性の保全と人のネットワーク ―』が開催されました。 

最初に中村きずな会長のフォーラム趣旨説明.
今回は参加型フォーラムと国連生物多様性の10年せいかリレー の登録していることを説明.
「生物多様性ながの県戦略」は2012年に策定され,2020年に短期目標の達成年次を迎えて,「行動計画」の評価と見直しをする時期になりました.今年度のきずなフォーラムでは,長野県環境保全研究所の須賀丈氏に「生物多様性ながの県戦略」の見直しにむけてこれまでの経過と今後の課題について講演をしていただきました。

須賀丈氏(長野県環境保全研究所主任研究員)の基調講演.
「長野県の生物多様性 県戦略の見直しに向けて」要旨 
長野県の自然は世界的な生物多様性ホットスポットのひとつです。しかし開発の脅威、里山の手入れ不足、外来種の増加、気候変動の影響など、危機の要因も多様化しています。生物多様性ながの県戦略は2020年までの短期目標と行動計画を掲げており、見直しの時期を迎えています。持続可能な地域と世界に向けた正念場となるこれからの10年、地域の課題と生物多様性の課題をいかにつなぎ、行動を広げていくか。その道筋を考えます。
 事例報告として,軽井沢サクラソウ会議と安曇野オオルリシジミ保護対策会議の2つの団体の活動紹介がありました。

須永 久氏(軽井沢サクラソウ会議代表)の事例報告
「軽井沢の生物多様性保全活動の報告」 要旨
私たちは、20年近く細く長く様々な活動を続けて参りました。本日は会設立の契機を含め活動の一部をご紹介いたします。積み重ねてきた人と人とのつながりが最大の財産であり、今後に向けての活力であると感じております。かつて力を入れていた子供たち向けの企画が停滞気味ですが、無理せずに楽しみながら展開できればと考えております。一昨年は、軽井沢の自然環境保全に関する活動が認められ(一社)長野県環境保全協会の「信州エコ大賞」を受賞いたしました。

那須野雅好氏(安曇野オオルリシジミ保護対策会議代表)の事例報告
「希少種をどう守るか~オオルリシジミの保全を中心として~」要旨
オオルリシジミの保護活動が始まって25年。関係者の努力もあって保護区では毎年、自然発生個体を見るようになり、将来展望も開けつつあります。しかしながら、たった1種類のチョウの保全のために費やした労力は計り知れない。他方、環境省のレッドリストだけでも3700種近い希少種が掲載されていて、保護の必要なものも少なくありません。私たちはこのような現実にどのように対応していけばよいか、安曇野市で行われている希少種保全の取り組みなども紹介しながら考えてみます。
参加者全員で記念写真
今回初めての試みとしてスライド1枚限定の参加団体の1分間自己紹介を行いました.発表者は1分間の時間制限の中楽しいスピーチを披露していただきました。

トップバッター「霧ケ峰高原再生協議会」の紹介スライド

楽しく1分間スピーチを聞いています
紹介団体
霧ケ峰高原再生協議会
富士見町ホテイアツモリソウ再生会議
富士見町植物友の会
国営アルプスあづみの公園
長野県環境保全協会
北信濃の里山を保全活用する会
NPO法人霧ケ峰基金
NPO法人生物多様性研究所あーすわーむ
長野イヌワシ研究会
ニゴとカッパの会
ミヤマシジミ研究会
辰野いきものネットワーク
長野県希少生物保全調査会
梅ヶ久保自然愛護会
おたりギフチョウ・ヒメギフチョウを守る会
 さらに今回はワークショップ形式で,生物多様性ながの県戦略の見直しにむけて討論をして長野県の生物多様性保全の課題と次のステップへの展望を探りました。
討論のテーマは次の3点としました。
    (1) 生物多様性を保全していく上での課題・問題点を共有する
(2) 上の課題を解決して、10年後にどんな状態にしたいか(目標を共有する)
(3) 今後10年間の行動計画(実現のために知恵を出し合う)


参加者はグループに分かれて意見交換

出た意見はテーマごとに付箋紙に書いてまとめました

最後にグループごとに討論内容を発表


会場には信州大学自然科学館のコマクサ標本の展示もありました。
館長の東城幸治教授.

 好天に恵まれ29団体88名もの参加者があり,皆さん熱心に講演に聞き入り,またワークショップでは活発な討論とプレゼンがなされ、有意義なフォーラムとなりました。

2019年10月7日月曜日

オオルリシジミの里づくり「食草クララ植栽イベント」報告

本日2019年10月6日,安曇野市にある国営アルプスあづみの公園里山文化ゾーンにおいて,オオルリシジミの食草クララを増やすために,クララの株植栽と種子採集のイベントを実施しました.曇り空で少し肌寒い天候でしたが,約30名の方が参加しました.

あづみの公園里山文化ゾーンに集合.
クララ株植栽の説明を受けてさあ作業開始.

岩原という地名だけあって,岩が多い棚田の土手に穴を掘るのに苦労しましたが,準備された約50株のクララを里山文化ゾーンの棚田エリアに手分けして植栽しました.

植栽したクララの株













岩の多い土地を苦労して穴掘り


















植栽したクララ.株来年は芽を出してくれるでしょう.


移植作業後はポットに植えるクララ種子をみんなで採集しました.

クララの種子を採集















公園内に植えられたブットレアに
吸蜜に来たメスグロヒョウモンのメス

















作業の後,安曇野オオルリシジミ保護対策会議,岩原自然と文化を守り育てる会,日本自然保護協会,信州生物多様性ネットきずななどの団体から活動報告とオオルリシジミの保全にむけての話合いが行われ,来年多くのオオルリシジミが見られることを期待して植栽イベントを終了しました. 

みんなで情報交換















来年も多くのオオルリシジミが安曇野の空に
舞ってくれることを期待して
2019年5月22日,那須野雅好氏撮影



















本イベントは、トヨタ自動車株式会社のトヨタ環境活動助成プログラムの助成を受けて実施しました

2019年9月24日火曜日

オオルリシジミの里づくり      食草クララ植栽イベントの案内



オオルリシジミの里づくり
食草クララ植栽
イベント

長野県安曇野市において絶滅危惧種オオルリシジミの分布拡大を目指すプロジェクトに取り組んでいます。今回は、オオルリシジミの食草クララの植栽とクララ増やすために種子採集を行います。集めた種子はクララのポット苗作りに活用して、次年度以降の公園や地域での植栽・配布用に活用します。皆さま方のご参加をお待ちしております。

◇開催日時:10月6日(日)13:00~16:00
  ※雨天中止
◇開催場所:アルプスあづみの公園
 里山文化ゾーン 集合場所:堀金口棟
  
  ◇内容及びスケジュールはチラシをご覧ください

主催:国営アルプスあづみの 公園管理センター
共催:日本自然保護協会、信州生物多様性ネットきずな
協力:安曇野オオルリシジミ保護対策会議、岩原自然と文化を守り育てる会

2019年2月10日日曜日

第4回きずなフォーラム『野生の生きものとその保全 ― 活動の最前線で ―』

きずなフォーラムでは西村豊氏の代表作
ヤマネの写真も展示されました

信州生物多様性ネットきずなと長野県(自然保護課・環境保全研究所)の主催で平成31年2月9日(土)、塩尻総合文化センター 講堂において第4回きずなフォーラム『野生の生きものとその保全 ― 活動の最前線で ―』が開催されました。 
 今年一番の寒さで小雪の舞う中110名もの参加者があり,皆さん熱心に講演に聞き入り,またパネル展示会場では情報交換や交流がなされ、有意義なフォーラムとなりました。

2階の会議室では参加団体のパネル展示と
交流会が行われました
きずなも採択されたトヨタ環境助成プログラム
「長野県安曇野における絶滅危惧種オオルリシジミ
分布拡大のための協働プロジェクト」
の紹介パネルを展示しました
ミヤマシジミ研究会の展示パネルとミヤマシジミの写真



 今年度の第4回きずなフォーラムでは、ヤマネの写真集で有名な西村豊氏に野生の生き物のすばらしさ不思議さについて、美しい映像を交えて講演をしていただきました。

 さらに長野県外の2つの団体から事例報告として,京都市のフィールドソサイエティーの久山喜久雄 氏が「身近な生きものに学ぶ ―お寺の森での環境学習活動― 」と岡山市の株式会社ウエスコの貸谷康宏氏が「市街地近郊におけるナゴヤダルマガエルの保全活動(おかやま大野ダルマガエル保全プロジェクト)」について活動の紹介をしていただきました。





西村豊氏の講演

参加者は100名以上になりました

フィールドソサイエティー
の久山喜久雄氏












ウエスコの貸谷康宏氏











今回は参加各団体のパネル展示と交流タイムを設けて、様々な意見交換を通して環境保全活動の課題と次のステップへの展望を探る機会としました。20以上の団体がパネル展示に参加し,様々なところで交流が行われていました。




 会場ロビーでは西村豊氏のミニ写真展もあり、参加皆様方が美しい野生の生きものの写真に見入っていました。

2018年12月8日土曜日

「きずな」が2018年度「トヨタ環境活動助成プログラム」の助成プロジェクトに採択


信州生物多様性ネット きずなは,2018年度「トヨタ環境活動助成プログラム」の国内小規模プロジェクトの生物多様性分野に応募しておりましたが,この度めでたく助成プロジェクトに採択されました。

「トヨタ環境活動助成プログラム」
(https://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/environment/challenge6/ecogrant/)
の助成決定書

プロジェクト名:「長野県安曇野における絶滅危惧種オオルリシジミ分布拡大のための協働プロジェクト」

プロジェクト概要:長野県安曇野市において絶滅危惧種オオルリシジミを対象に,きずながプラットフォームとなり協働で保全活動に取り組む「人のネットワークづくり」と食草のクララを植栽して「チョウのネットワークづくり」を実施してオオルリシジミの分布拡大を目指す。そのために全国規模のオオルリシジミサミット、生息地での観察会や学習会を実施する。さらに食草のクララの栽培と移植イベント、マーキングや卵・幼虫のモニタリング、DNA解析などを実施する。


助成プロジェクトの対象となった絶滅危惧種のオオルリシジミ
2018年6月2日国営アルプスあづみの公園保護区調査中のナンバリングされたメス個体
プロジェクト実施対象のオオルリシジミは、瑠璃色の翅をもつ大型のシジミチョウで、
幼虫はマメ科のクララのみを食草としている。かつては東北や関東地方にも広く生息し、
里山の人々の暮らしとともに生きてきた草原環境を代表するチョウであったが、今では
絶滅危惧Ⅰ類にランクされ長野県の一部と九州の阿蘇地方にしか生息していない。特に長野
県の本州亜種は条例で採集が禁止されているにもかかわらず、農業技術と生活様式の変化に
伴い食草のクララが減少して分布域は縮小するのみで、小さな3地域の個体群が地域の
人々の保護活動によって僅かに生き残っているにすぎない。このままでは個体群の
遺伝的多様性がなくなる危険性もあり、早急な対策が必要とされている。


 期間は2019年1月1日から2020年12月31日までで,この間に,第1の目的である「人のネットワークづくり」のため、本州と九州の保全団体の交流を図るオオルリシジミ・サミットを開催し、オオルリシジミをはじめとする草原の生物多様性保全の必要性を全国規模で啓発する。現在環境省南阿蘇ビジターセンターや熊本県への協力を依頼中。さらに地域住民を対象とした観察会や学習会等を実施。
 第2の「チョウのネットワークづくり」のため、食草のクララの栽培とクララの移植イベントを実施。さらに成虫のマーキング調査から本種の行動生態に基づいたクララ植え付けマップを作成。またDNA解析を行い個体群内の遺伝子の多様性を評価する。
 最後にモニタリング調査のデータを分析して、本プロジェクトの評価・検証を行い次の安曇野に舞うオオルリシジミ復活事業に活かしていく。

 12月6日に東京のトヨタ紀尾井倶楽部で助成決定書授与式が行われ,きずな会長の中村が代表で出席しました.

決定書授与式で選考委員の鈴木東大名誉教授が講評
チョウセンアカシジミの保全で助成を受けた
岩手山麓自然学校の代表(左)と一緒に
 実施担当者は,中村寛志(会長),江田慧子(事務局長),那須野雅好(幹事)の3名の名前で応募しましたが,これから皆様方の協力をあおいで,安曇野のオオルリシジミ分布拡大のため,「人のネットワーク」と「チョウのネットワーク」作りのプロジェクトを進めていきたいと思いますので,よろしくお願いいたします.