2021年8月24日火曜日

信州昆虫学会・信州大学理学部公開シンポジウム「信州における外来昆虫の侵入状況と今後の対策」の案内

 

信州昆虫学会第32回大会の中で公開シンポジウム「信州における外来昆虫の侵入状況と今後の対策」が下記の通り開催されます.

日 時: 令和2 年8 月28 日(土) 14:00-17:00(13:30受付開始)

会 場: 信州大学理学部からオンライン中継(ご自宅からPC・スマートフォン等で参加)

【趣 旨】山脈に囲まれ都市部の標高が高い信州でも,ここ数年外来種・害虫が増加する傾向にあります.外来種が侵入した場合,自然・農業・森林生態系などにどのような被害がもたらされるのでしょうか?最前線で活躍されている研究者の方々に,わかりやすく解説していただきます.

【プログラム】
14:00-
(講演1)「長野県における特定外来生物 (昆虫類等) の現状と対策」  
須賀丈 (長野県環境保全研究所 自然環境部長)・ 高野宏平・黒江美紗子 (長野県環境保全研究所)・ 大塚孝一 (長野県環境保全研究所友の会) 
(講演 2)「外来種クビアカツヤカミキリの生態と防除」 
砂村栄力 (森林総合研究所 主任研究員)
(講演 3)「侵略的外来アリの生態とその防除:特定外来生物ヒアリ類を中心に」
坂本洋典 (国立環境研究所 研究員)
(講演 4)「侵入先における外来種の急速な進化とその問題点」 
深野祐也 (東京大学 助教)
16:00- 総合討論    コーディネーター 上田昇平 (大阪府立大学 准教授)
17:00 終了 

【参加費】参加無料ですが,事前申し込みが必要です.
【参加方法】オンライン参加希望の方は前日(8/27)までに以下のURLかQRコード にアクセスし登録してください.登録後に,Zoom 接続 ID とパスワードが自動送信されます.
(一般講演・公開シンポジウムともに同じ接続 ID とパスワードでご参加いただけます)

事前登録URL : https://shinshu-u-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tJwrcO6tqzMvHtOrBCD6xeAjcLkWOf8R54AX 


【講演要旨】


【午前の部 学会員による一般講演】
*こちらも参加無料ですので併せてご覧ください

10:00-11:30 一般講演プログラム 【松本会場・オンライン発表】
1. ○東城幸治 (信州大・理学系, 信州大・山岳研)・鈴木智也 (京都大・院・地球環境)・宮入健・坂野亜矢菜 (信州大・理・生物)
「オビカゲロウ類(カゲロウ目, ヒラタカゲロウ科)の系統・分類と生物地理」
2. ○竹中將起 (筑波大・生命環境, 信州大・総合工学系)・関根一希(立正大・地球環境)・東城幸治 (信州大・理学系, 信州大・山岳研)
「種分化連続体を用いた生物集団の分断と生殖隔離」
3. ○鈴木智也 (京大・院・地球環境)・久原直利 (北海道千歳市)・東城幸治 (信州大・理学系, 信州大・山岳研)
「ノザキタニガワトビケラ (トビケラ目, カワトビケラ科) における種内系統間の二次的接触による生殖的形質置換の可能性」
4. ○鈴木啓久(信州大・院・総合医理工)
「高山帯に生息するサハリントビケラの生活史の特徴」
5. ○上木岳(信州大・院・総合医理工)・東城幸治(信州大・理学系, 信州大・山岳研)・久保田耕平(東京大・院・農学生命科学)
「朝鮮半島-九州地方における別属のクワガタムシ種間(オニクワガタ属・ルリクワガタ属)での共生酵母の水平伝搬」
6. 〇江田慧子(関西学院大・教育)・中村寛志(信州大学名誉教授)
「アルプスあづみの公園におけるオオルリシジミ成虫の移動・分散とクララ植栽プロジェクト」
7. 〇宇佐美真一(信州大・山岳研)
「分子系統解析から見た高山蝶タカネヒカゲ搬」

オオルリシジミオス成虫
(国営アルプスあずみの公園,一般講演スライドから)

【問い合わせ先】
中村寛志(信州生物多様性ネットきずな会長)
Mail:insect2@shinshu-u.ac.jp     TEL:0265-74-8426





2021年3月18日木曜日

あづみの公園オオルリシジミ保護区の野焼き


オオルリシジミ保護区の野焼きスタート
2021 March  17

 国営アルプスあづみの公園のオオルリシジミ保護区の恒例の野焼きが,2021年3月17日に実施されました.この野焼きはオオルリシジミの卵に寄生するタマゴバチの対策として2012年から実施されています.

オオルリシジミの卵寄生蜂メアカタマゴバチ

 ほかの鱗翅目の卵に寄生して越冬している寄生蜂を焼いてしまおうという作戦です.

 

この日は野焼き日和できれいに焼けました

 でも,寄生蜂は焼けてもオオルリシジミは大丈夫でしょうか?


大丈夫!この時期のオオルリシジミは蛹の状態で
石の下や浅い土の下の潜って冬眠しています
科学絵本「ちょうちょのリリイ」より(江田慧子作)

 確認するために,焼け跡でオオルリシジミの蛹を探してみました.すると石の下に変わらず元気なオオルリシジミの蛹を見つけました.


ここの焼け跡を探してみました

石をどけてみるとその下はまったく
焼けてなく蛹が見つかりました


野焼き後のオオルリシジミの蛹
2021 March 17 

 この蛹は5月には元気な成虫となって「おはよう」といって飛び出すことでしょう!

科学絵本「ちょうちょのリリイ」より(江田慧子作)


オオルリシジミのメス
2020 May 24  アルプスあづみの公園保護区


2021年2月8日月曜日

第6回きずなフォーラム(オンライン開催) 

 


 信州生物多様性ネットきずなと長野県(自然保護課・環境保全研究所)の主催で,第6回きずなフォーラムが令和3年2月6日(土)にオンラインで開催されました.今回のフォーラムでは『環境学習と学校教育との連携ー生物多様性を子供たちに伝えていくためにー』をテーマに,各保全団体が取り組んでいる自然教室などの環境学習活動が学校教育とどう有機的につなげていけばいいのか,さらに子供たちが生き物の多様性を認識しその大切さを理解していくうえで,私たちはどう貢献していけばいいのかについて考えていく場として企画しました.
 新型コロナウイルス感染拡大のため当初予定していた塩尻総合文化センターでの会場開催は中止とし,長野県環境保全研究所飯綱庁舎からのWebEXによるオンライン配信で開催されました.
 以下に内容を紹介いたします.

1245 オンライン会議室の入室受付
 今年に入って急遽オンラインに変更したため何人申し込みがあるか心配であったが,50名もの参加者があった. 

環境保全研究所のオンライン主催の会議室

13:00 開会 総合司会 畑中健一郎(長野県環境保全研究所)
 挨拶 中村寛志(信州大学名誉教授・きずな会長)
    近藤 浩(長野県自然保護課企画幹)

13:10 趣旨説明
 「生物多様性を子供たちに伝えていくための環境教育・ESDの推進」
           須賀 丈氏(長野県環境保全研究所 自然環境部長)

趣旨説明をする須賀氏

*グローバル化した産業社会とその危機
*生物多様性とSDGs(持続可能な開発目標)
*ESD(持続可能な社会の創り手の育成)と子ども,地域
の3点から生物多様性を子どもに伝えていくための環境教育・ESD
を推進していく必要性について講演

13:20 事例報告(2件)
「長野県木曽町での理科授業」 
          江田慧子氏(帝京科学大学 教育人間学部専任講師)  
江田氏は東京の帝京科学大学からビデオ配信
絶滅危惧種チャマダラセセリを教材に行った
木曽町開田小学校での理科の授業を報告した

保全団体が学校で自然教室などを実施するときには学習指導
要領を意識したプログラムを作ることが大切と話す

「市民活動と学校教育の橋渡し-中信地区環境教育ネットワークの事例から-」
          中林直子氏(中信地区環境教育ネットワーク 事務局長)

中信地区環境教育ネットワーク( ee ネット)
の2020年度活動実績を報告




鎌田小学校の川遊びと生き物観察の取り組みを紹介

14:20 団体からの活動紹介と総合討論    コーディネータ:中村
 あらかじめ申し込みのあった以下の6団体が,5分間でそれぞれの活動を紹介した.

・ 【富士見町アツモリソウ再生会議】 五味直喜氏
 「地域の小中学校教員を対象とした自生地の環境観察会と小学校児童の培養苗の観察会」

・【国営アルプスあずみの公園 堀金・穂高地区管理センター】 椎名春奈氏
 「国営アルプスあずみの公園の環境教育」


・ 【烏川渓谷緑地】 内田利幸氏
 「環境学習と学校利用」


・ 【多摩市立八ヶ岳少年自然の家】 五味直喜氏
 「森林ESD事例発表」

・ 【茅野ミヤマシロチョウの会】 福田勝男氏
 「こども自然探検隊 学習活動」


・ 【ミヤマシジミ研究会】 中村寛志氏
 「伊那西小学校でのミヤマシジミ保護活動」

15:00 質問・討論タイム
 参加者からチャットで寄せられた質問に講演者が回答,また参加者からの意見などオンラインを活用して情報交換することができた.最後に登壇者から学校教育と連携していくにはどうすればよいかについてコメントをもらって終了した.

15:30 閉会