2020年2月2日日曜日

第5回きずなフォーラム『『生物多様性ながの県戦略の見直しにむけて』 


 信州生物多様性ネットきずなと長野県(自然保護課・環境保全研究所)の主催で令和2年2月1日(土)、塩尻総合文化センターにおいて第5回きずなフォーラム『『生物多様性ながの県戦略の見直しにむけて― 多様性の保全と人のネットワーク ―』が開催されました。 

最初に中村きずな会長のフォーラム趣旨説明.
今回は参加型フォーラムと国連生物多様性の10年せいかリレー の登録していることを説明.
「生物多様性ながの県戦略」は2012年に策定され,2020年に短期目標の達成年次を迎えて,「行動計画」の評価と見直しをする時期になりました.今年度のきずなフォーラムでは,長野県環境保全研究所の須賀丈氏に「生物多様性ながの県戦略」の見直しにむけてこれまでの経過と今後の課題について講演をしていただきました。

須賀丈氏(長野県環境保全研究所主任研究員)の基調講演.
「長野県の生物多様性 県戦略の見直しに向けて」要旨 
長野県の自然は世界的な生物多様性ホットスポットのひとつです。しかし開発の脅威、里山の手入れ不足、外来種の増加、気候変動の影響など、危機の要因も多様化しています。生物多様性ながの県戦略は2020年までの短期目標と行動計画を掲げており、見直しの時期を迎えています。持続可能な地域と世界に向けた正念場となるこれからの10年、地域の課題と生物多様性の課題をいかにつなぎ、行動を広げていくか。その道筋を考えます。
 事例報告として,軽井沢サクラソウ会議と安曇野オオルリシジミ保護対策会議の2つの団体の活動紹介がありました。

須永 久氏(軽井沢サクラソウ会議代表)の事例報告
「軽井沢の生物多様性保全活動の報告」 要旨
私たちは、20年近く細く長く様々な活動を続けて参りました。本日は会設立の契機を含め活動の一部をご紹介いたします。積み重ねてきた人と人とのつながりが最大の財産であり、今後に向けての活力であると感じております。かつて力を入れていた子供たち向けの企画が停滞気味ですが、無理せずに楽しみながら展開できればと考えております。一昨年は、軽井沢の自然環境保全に関する活動が認められ(一社)長野県環境保全協会の「信州エコ大賞」を受賞いたしました。

那須野雅好氏(安曇野オオルリシジミ保護対策会議代表)の事例報告
「希少種をどう守るか~オオルリシジミの保全を中心として~」要旨
オオルリシジミの保護活動が始まって25年。関係者の努力もあって保護区では毎年、自然発生個体を見るようになり、将来展望も開けつつあります。しかしながら、たった1種類のチョウの保全のために費やした労力は計り知れない。他方、環境省のレッドリストだけでも3700種近い希少種が掲載されていて、保護の必要なものも少なくありません。私たちはこのような現実にどのように対応していけばよいか、安曇野市で行われている希少種保全の取り組みなども紹介しながら考えてみます。
参加者全員で記念写真
今回初めての試みとしてスライド1枚限定の参加団体の1分間自己紹介を行いました.発表者は1分間の時間制限の中楽しいスピーチを披露していただきました。

トップバッター「霧ケ峰高原再生協議会」の紹介スライド

楽しく1分間スピーチを聞いています
紹介団体
霧ケ峰高原再生協議会
富士見町ホテイアツモリソウ再生会議
富士見町植物友の会
国営アルプスあづみの公園
長野県環境保全協会
北信濃の里山を保全活用する会
NPO法人霧ケ峰基金
NPO法人生物多様性研究所あーすわーむ
長野イヌワシ研究会
ニゴとカッパの会
ミヤマシジミ研究会
辰野いきものネットワーク
長野県希少生物保全調査会
梅ヶ久保自然愛護会
おたりギフチョウ・ヒメギフチョウを守る会
 さらに今回はワークショップ形式で,生物多様性ながの県戦略の見直しにむけて討論をして長野県の生物多様性保全の課題と次のステップへの展望を探りました。
討論のテーマは次の3点としました。
    (1) 生物多様性を保全していく上での課題・問題点を共有する
(2) 上の課題を解決して、10年後にどんな状態にしたいか(目標を共有する)
(3) 今後10年間の行動計画(実現のために知恵を出し合う)


参加者はグループに分かれて意見交換

出た意見はテーマごとに付箋紙に書いてまとめました

最後にグループごとに討論内容を発表


会場には信州大学自然科学館のコマクサ標本の展示もありました。
館長の東城幸治教授.

 好天に恵まれ29団体88名もの参加者があり,皆さん熱心に講演に聞き入り,またワークショップでは活発な討論とプレゼンがなされ、有意義なフォーラムとなりました。

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