2023年2月7日火曜日

第8回きずなフォーラム『豊かな自然を  未来へつなぐために』

 


 信州生物多様性ネットきずなと長野県(自然保護課・環境保全研究所)の主催で令和5年2月4日(土)、塩尻総合文化センターにおいて第8回きずなフォーラム『豊かな自然を未来へつなぐために』が開催されました。きずなフォーラムはコロナ禍において2020年度はオンラインのみ,2021年度は信州自然講座でパネル展示のみとなっていたのですが,今年度はやっと対面での開催が可能となりました.参加者は68名であった.
 以下にその様子を紹介します.

12:30 受付
会場の塩尻市総合文化ホール講堂
13:00 開会 
  総合司会 福江佑子(あーすわーむ)
  挨  拶 中村寛志(きずな会長)
きずな中村会長の趣旨説明と挨拶

   会長の趣旨説明と挨拶
「信州生物多様性ネット きずな」は,「生物多様性ながの県戦略」の地域連携・協働促進プロジェクトをもとに平成27(2015)年2月15日に設立され,長野県とのパートナーシップ協定によりシンポジウム,セミナー,環境教育などを実施して,生物多様性の保全や普及活動を行っている団体の交流に取り組んでいます。「生物多様性ながの県戦略」は2012年に策定され,2020年に短期目標の達成年次を迎えて,「行動計画」の評価と見直しをする時期になりました。また長野県レッドデータブックは2001年度に維管束植物編が発行されて以後この20数年間で生物多様性が減少し,絶滅危惧種が増加してきました。国際的には昨年12月に開催された生物多様性条約第15回締結国会議(COP15)において,2030年までの新たな世界目標や2050年までの長期目標「自然と共生する世界」に向けた各国の取組が発信されました。「自然と共生する世界」を実現するには自然を未来へつないでいく必要があります。きずなでは本年度は「豊かな自然を未来へつなぐために」をテーマに,前半はこれに対する国や県の方針・施策についての講演を聞きく場としました。豊かな自然を未来へつなぐためには子どもたちに自然の素晴らしさ,大切さを伝えていく必要があります。2021年の第6回フォーラムで環境学習のテーマを企画しましたがコロナでオンライン開催となり議論が不十分でありました。そこで今回の後半は各保全団体が実施している子供達への環境教育活動を報告してもらって,その問題点や方法などを共有する場としました。皆さんにとって有意義な会となることを期待しています。 

 
13:10 講演
(1) 「OECMを活用したネイチャーポジティブの実現」
高川 晋一氏(日本自然保護協会)

日本自然保護協会の高川晋一氏の講演

30by30とOECMの解説

フロアーから多くの質問がなされ関心の高さがうかがわれた

   高川晋一氏の講演要旨
昨年末に開催された生物多様性条約COP15では、「ネイチャーポジティブ」つまり2030年までに生物多様性を回復させるための緊急的行動をとるという新たな国際目標が採択された。また、陸と海の面積の30%を保全するという目標も採択され、その手段として「OECM」と呼ばれる新たな保全地域に注目が集まっている。日本でも2023年度からOECMの認定登録制度が始まる予定である。地球全体でのネイチャーポジティブの実現のためには、各地域それぞれで身近な生き物も含めた生物多様性を守り引き継いでいくことが大切であり、地元で保全活動を行ってきた市民団体や企業等の民間が主役となっていく事と、市町村レベルでの施策に民間活動を位置付けていく事がますます重要となる。また、企業や金融業界が保全に貢献することが強く求められる国際情勢となっており、各地域でそれを形にしていく事も重要である。
本講演では、地域の主体がOECMも活用してネイチャーポジティブにどう貢献できるかを、国のOECM制度や日本自然保護協会が2022年から始めた取り組みを交えて紹介する。


(2) 「第五次長野県環境基本計画(案)における生物多様性保全の方針」 
宮脇 優氏(長野県自然保護課)


長野県自然保護課の宮脇優氏の講演

長野県の生物多様性の方針について解説

第二次生物多様性ながの県戦略における将来像

宮脇優氏の講演要旨 
長野県は、日本の屋根と称される高山帯を有し、約3,000mの標高差のある複雑な地形や、日本海・内陸・太平洋の影響を受ける多様な気候、さらには里山や草原といった人の営みによって形成される自然環境により、豊かな生物多様性が培われています。生物多様性に係る国際的な動向を見ると、昨年12月にカナダ・モントリオールで開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、2030年までの新たな世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されました。今後、日本を始め条約締結国は「自然と共生する世界」を共通のビジョンとして、「自然を回復軌道に乗せるために生物多様性の損失を止め反転させる」という自然再興(ネイチャーポジティブ)に向けた行動を緊急に講じていくこととなります。また、本県における生物多様性の保全については、2012年に「生物多様性ながの県戦略」を策定し、2050年の中長期目標として「生命(いのち)にぎわう『人と自然が共生する信州』の実現」を掲げているところですが、行政、県民、団体・NPO、事業者、研究機関など多様な主体が連携して取り組むための短期的な施策方針を示す必要が生じています。こうした諸課題を解決し、本県の豊かな生態系を維持していくためには、生物多様性の保全への関心を高め、行動を起こしていくことが重要です。本講演では、「第五次長野県環境基本計画(案)」における生物多様性の保全に関する方針について具体施策を交えて紹介させていただきます。


14:25 アンケート案内
14:30 休息
14:40 活動報告 
コーディネータ:中村寛志 
進行:福江佑子
後半は各団体から環境教育についての実施報告がなされた.7分間という持ち時間であったが興味ある活動が発表された.


(1)辰野いきものネットワーク
ミヤマシジミの保全と環境教育について報告する
辰野いきものネットワークの土田秀実氏
所在地 辰野町
発表者 土田秀実(会長)
タイトル ミヤマシジミの保全と環境教育
対象 中学生・小学生
場所 荒神山ミヤマシジミ保護区,辰野東小学校
内容 "荒神山たつの池堰堤工事個所へのコマツナギ植栽活動と小学校校内でのミヤマシジミ保護区つくり
成果 ミヤマシジミを知らなかった子供たちが熱心に生息環境の整備をしてくれたこと.生き物を育てる大切さを理解してくれた.
課題 専門的知識を持った講師の確保,学校の授業時間との調整

(2)三郷昆虫クラブ
安曇野市における環境教育の実践について報告する
三郷昆虫クラブ那須野雅好

所在地 安曇野市
発表者 那須野雅好
タイトル 安曇野市における環境教育の実践について
対象 学校:小中学生、社会教育:親子同伴活動
場所 安曇野市内フィールド(国営・県営公園、長峰山、光城山など)
内容 官民協働で行う環境教育の実践(安曇野市の取り組みを中心として)
成果 ・学校教育の中に自然観察会や昆虫教育の機会を増やすことができた。・継続した昆虫クラブの活動は自然に関心を持つ子どもの育成に繋がっている。
・ツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハなどの南方種の発見につながった。
課題 観察会に適したフィールドが少ない。

(3)小諸ミズオオバコ保全会議
小諸の里やまで子ども達と遊んで10年について報告する
小諸ミズオオバコ保全会議の平田聡子

所在地 小諸市
発表者 平田 聡子(副代表)
タイトル 小諸の里やまで子ども達と遊んで10年
対象 乳幼児とその保護者、小学生
場所 こもろミズオオバコビオトープ(小諸市御影新田)
内容 身近な自然(里やま)で、一年を通じて米作り、生き物探し、焚火、野遊び等をしながら、子供たちの生きる力を育む。
成果 身近にたくさんの生き物が暮らしていて、そんなところで遊ぶって面白い。ということを肌で感じてくれている。(と思います)
課題 ビオトープの維持管理とイベント運営に関わる人手が不足している。

(4)高瀬川を愛する会
高瀬川生態系の保全活動における子供たちへの期待について 報告する高瀬川を愛する会吉富政宣氏

所在地 松川村・池田町
発表者 吉富政宣(代表)
タイトル 高瀬川生態系の保全活動における子供たちへの期待 -保全者予備軍の育成-
対象 会の趣旨に賛同する者なら誰でも.実績:乳幼児~老人(全年齢),研究者・身障者・不登校者・市町村議など.3歳児から小学生,20代~70代の参加が多い.
場所 高瀬川の河原,特に池田町池田二丁目
内容 子どもたちには保全者予備軍の役割を期待.ところで,保全には愛が,愛には知ることが,知るには来ることが必要.そこで「気軽な来訪」に力点を置いている.
成果 (身の回りの自然としての)高瀬川を楽しむ人々の輪が広がった.
課題 親御さんが来ないと,小学生はこない(学校が川遊びを原則禁止としている).また,中高生の参加が少ない.
 
(5)ぽんすけ育成会
シナイモツゴ学習から広がる水辺教育について報告する ぽんすけ育成会中野繭氏

所在地 長野市信里地区
発表者 中野 繭(副会長)
タイトル シナイモツゴ学習から広がる水辺教育
対象 小学生・大学生
場所 長野市南西部信里地区
内容 シナイモツゴから学ぶ身近な絶滅危惧種の保全と自然再生活動としてのため池のかいぼりについて
成果 身近にある里山環境が絶滅危惧種を守っていること、水辺環境に関心を持ち自然再生の可能性に気がついてもらえたこと。
課題 身近な里山に絶滅危惧種が生息していることがあまり認知されていないこと

(6)ミヤマ株式会社
自然の中で五感を使って学ぶミヤマ環境教室について報告する ミヤマ株式会社横尾早衣子氏

所在地 長野市
発表者 横尾早衣子
タイトル 自然の中で五感を使って学ぶミヤマ環境教室~授業内容のご紹介と課題~
対象 小中学生
場所 Workcation Place 花伝舎 (長野市戸隠)
内容 長野市戸隠にあるナチュラルガーデン花伝舎で、環境問題や生き物同士の共生関係、生物多様性保全の意義について理解を深める。
成果 五感を刺激する体験を通じて、環境や生物に興味を持ってもらうことができた。
課題 ①1社のみの活動では普及活動に時間がかかってしまうこと②社内人材だけでは特定の希少動植物に関することなど専門分野の授業を行うことは難しい

(7)信州ツキノワグマ研究会
子ども向けツキノワグマ普及啓発教材制作の紹介について報告する 信州ツキノワグマ研究会浜口あかり氏

所在地 松本市
発表者 浜口あかり(事務局長)
タイトル 子ども向けツキノワグマ普及啓発教材制作の紹介
対象 小学生・保育園児
場所 長野県全域
内容 信州に暮らすツキノワグマの生態や行動等について、子ども達が楽しく学べる教材(冊子や紙芝居)を作成するとともに、授業等を通して正しい知識の普及啓発を実施
成果 冊子を読んだり授業を受けた子どもたちは、クマへの理解が深まった
課題 授業等を実施する機会の創出、継続的な開催

(8) 渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える
砂防ダムによる生物多様性への影響について報告する 渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考えるの坪井夏希氏

所在地 松本市
発表者 坪井夏希(会員)
タイトル 砂防ダムによる生物多様性への影響
対象 保育園児・小学生・中学生、またその保護者
場所 松本市牛伏川、その他近隣の河川
内容 牛伏川砂防改修部の見学と水生生物の観察会、ならびに他の河川で起きている砂防ダムの問題点の共有
成果 砂防ダムが水生生物に与える悪影響と、改修したことで回復した水生生物を実際に目にすることができた
課題 参加者の集客、子供たちを含め一般市民の方への砂防ダム問題の周知

(9)水と緑の会 田口康夫氏
砂防改修部と3面張部の水生生物の比較観察会について報告する 水と緑の会の田口康夫氏

所在地 松本市
発表者 田口康夫
タイトル 砂防改修部と3面張部の水生生物の比較観察会
対象 小学生と保護者など
場所 牛伏川砂防改修部とフランス式階段工付近
内容 21年前に県と水と緑の会が砂防改修した場所と3面張り工区のそれぞれの水生生物を採取し、それらの比較と違いの原因を考えてもらう。
成果 川虫の多さや生息環境の違いによる種類があることの理解が進んだ。
課題 川虫の同定が難しい。砂防ダム問題の解決にどう結びつけるか。
 
(10)森倶楽部21 
環境教育への取り組みについて報告する森倶楽部21の森芳昭氏

所在地 安曇野市
発表者 森芳昭(理事長・環境学習グループチームリーダー)

タイトル 環境教育への取り組み-子供たちに里山の魅力を知ってもらいたい-
対象 一般及び会員の家族
場所 安曇野市長峰山
内容 里山整備活動の成果を知るために、毎月ミニ自然観察会を開催し、一般の方や会員の家族と一緒に活動地を歩いて動植物の変化を観察する
成果 動植物が苦手だった子供が、楽しそうに自然と接している大人を見て段々と慣れ、自分から生き物や不思議なものを見つけようとする好奇心が湧いてきた
課題 一般の方のリピーターがなかなかできない

(11)たがわ水辺を守る会  
田川小学校「生き物自然観察クラブ」についてについて報告する たがわ水辺を守る会の横山裕己氏

所在地 松本市
発表者 横山裕己
タイトル 田川小学校「生き物自然観察クラブ」について
対象 田川小学校高学年児童
場所 田川入船橋付近の河原
内容 学校近くの田川に行き生き物を捕まえて観察するクラブ活動
成果 見たことが無い生き物の採取・観察で生物多様性を学んだ。
課題 予算と安全性の確保」

総合討論のコーディネータ須賀丈氏
16:00 ディスカッションと情報交換 
      コーディネータ:須賀 丈
        コメンテータ:高川,宮脇,中村 

最後に本フォーラムのまとめとして30分と短い時間であったが総合討論がなされ,講演者の高川氏から長野県では各団体が素晴らしい環境教育活動を行っているとのコメントがあった.またフロアーからも多くの建設的な意見が出され有意義なフォー
ラムとなった.

学校教育との連携をのべるきずな会長
16:30 閉会
今回のフォーラムはコロナがまだ収束していない中での対面で実施しましたが,「自然と共生する世界」をビジョンとするために,いろいろな有意義な情報交換とディスカッションが出来ました.今後ともきずなではこのような活動を継続していきますので皆様方のご協力をお願いいたします.

フォーラムの翌日,講演いただいた高川氏から以下のようなコメントをいただきましたのでこのブログで皆様と共有いたしますので,ぜひご覧ください.


市民活動が抱える課題や疑問へのコメント
                 日本自然保護協会 高川晋一

このたびはフォーラムにお招きいただき誠にありがとうございました。各団体の素晴らしい活動や、ご発表いただいた課題について、十分発言できずお役に立てなかったことを申し訳なく思いました。全国の市民活動を通じてヒントになる活動をいろいろ見てきたため、以下に情報提供させていただきます。少しでもご参考になれば幸いです。
1. 団体の後継者育成
2. 活動の広報
3. 若い方参加しない問題
4. 生物多様性の評価

1. 団体の後継者育成
 多くの団体が、団体を引き継いでくれる代表者・運営チームを継承できないことが課題だったり、団体によってはこれにより解散しています。新規退職者の人口が減っていることもありますが、これだけが原因ではないように思います。団体を立ち上げ発展させてこられた代表者の多くは冒険心と向上心に溢れ、何歳になっても常に学習・成長されている方が多いため、この代表者を追い抜ける新たな後継者が見つかることはよほど大きな団体でない限りなかなか困難です。もう一つ、心理学・行動経済学の言葉で「イケア効果」というのがあります。ホームセンターで買ってきて作った手作りキットの家具は、どんなに出来が悪くても自身が作ったものであるため愛着が湧き長年使い続けるというものです。こういったことから、自分が立ち上げていない団体を継承いただける方を見つけるのはなかなか難しいと感じます。解決方法の一つとして「プロジェクト制」が考えられます。大阪自然環境保全協会さんや日本野鳥の会の各支部などが成果を上げている方法です。団体内で新しいプロジェクトをメンバーから募集し、数人からなるチームが作れたら、プロジェクトを「完全に任せる」という方法です。手を挙げる機会を作ること、完全に任せる(困ったら支援はしっかりする)こと、が大切のようです。うまくいかなくなるプロジェクトも当然多く発生しますが、うまくいけば団体の後継につながる活力・中核チームが生まれます。プロジェクト制でないにしても「任せる」が重要だと感じます。イベントの発表などでも、その役割をうまく他メンバーに譲っていける団体は、元気な気がします。

2. 活動の広報
 インターネット革命とスマホの普及により、人が1日で目にする情報量は1990年代の数百倍になっていると言われています。また、年代により使っている情報媒体が大きくことなるため(新聞、テレビ、フェイスブック、youtube、インスタ、TikTok)、新しい情報を届ける・目にしてもうことには、日本自然保護協会も日々めちゃくちゃ苦労しています。最も確実なのが「口コミ」です。参加者が口コミで知り合いに紹介しやすい方法は何か、という設計が大切です。なお、年代によって情報媒体を変える必要があり、また若い年代ほど「(キラキラ感があるかなどの)見せ方」が重要になってきます。これは単純に「伝え方の技術」なので、皆で学ぶ機会を作ったり、得意な年代・職業の方にお任せするか、どちらかがよさそうです。
 ただ、1回活動に参加した方が次も来られるかどうかは、居場所や役割があるかどうかに大きく依存します。若い方ほど特に同世代がいるかどうかが重要です。若い方を団体理事に引き上げ、若い方が中心になれるグループやプロジェクトを作っている団体は、若い方の定着に成功しているように感じます。

3. 中・高校生が参加・定着しない問題
 これについては全国うまくいっている団体の事例を知りません。とても解決が難しい課題だと思います。例外としては中学や高校の授業・クラブとの連携ですが、担当の先生に強く依存するため必勝法とは言えません。うまくいかない原因は、自然保護のボランティア活動に大きくなってからも関わり続けることが、サッカー選手やプロ棋士のように、「将来どんな職業につながるか(親も本人も)わからない」「有名なプロがいない」ことだと個人的には思います。アメリカのように「国立公園のパークレンジャー」が職業の一つとして認知される状況になれば変わるかもしれませんがしばらくは難しそうです。(ということもあり、私としては各市町村にOECMレンジャーのような職業を作り出したいと考えて新プロジェクトを始めています)。
 ただ、過去に比べれば、都市公園の指定管理者や動植物園職員、青少年施設職員、自然体験ガイドなど、自然の保全と普及啓発に従事できる職業は確実に増えています。東京では「都市公園の指定管理者」が自然保護の職業の一つとして認知され、それを目指すために公園のボランティアに小さい頃から関わり続けている方も増えています。

4. 生物多様性の評価
 「企業の自然関連情報開示の義務化」が急速に進んでいるため「生物多様性をカーボンのように以下に単純に測定・評価・表現するか」についての技術開発が世界中で進んでいます。これまでは専門家がすべての生物を調べ上げて「多様度指数」といった指標を計算することが一般的でしたが、今後それが大きく変わる可能性があります。
日本自然保護協会でも、市民でも見分けのつきやすい数十種類の指標植物の有無を調べるだけで、その地域の生物多様性の良し悪しを点数化できる手法を開発し、次年度に公表予定です。ご期待ください。